栄枯盛衰 2018 3 3

 日本では、今年は、
大学生の就職活動が早まっているという話を聞きます。
 そこで、参考になるかわかりませんが、
私は、昔話をしたいと思います。
 昔は、スマートフォンはありませんでしたので、
写真を撮るとなると、一眼レフカメラかコンパクトカメラでした。
 旅行に出かける時は、カメラが必携品でした。
そして、旅行の前日までにフィルムを買って用意しました。
あまり写真を撮らない人は、36枚撮りフィルム1本で間に合いましたが、
記念撮影が好きな人は、フィルムを何本も旅行鞄に入れました。
 赤や黄色の発色がよいのが、コダック。
緑の発色がよいのが、富士写真フイルムと言われました。
 コダックは、世界規模で事業を展開していて、
世界的な優良会社でした。
 しかしながら、あっという間に、
世界は変わってしまったのです。
それが、デジタルカメラの出現だったのです。
 最初は、画素数が35万画素だったので、
「おもちゃ」扱いのように言われて、
とうてい記念写真には耐えられないと言われました。
 私も、35万画素のデジタルカメラで写真を撮りましたが、
印刷すると、粒子が荒く、名刺サイズの印刷が限界でした。
 間もなく、100万画素のデジタルカメラも発売されましたが、
それでも粒子が荒く、しかも高額なカメラでした。
 そういうわけで、デジタルカメラは、
フィルムカメラに対抗できる代物ではなかったのです。
 しかしながら、技術の進歩は早く、
200万画素、400万画素と増えていき、
しかもカメラの価格は急激に安くなったのです。
 こうなると、優良企業と言われたフィルムメーカーは絶滅の危機を迎えます。
コダックは、2012年に連邦倒産法第11章の適用をニューヨークの裁判所に申請しました。
 富士写真フイルムは、どうなったのか。
「富士フィルム」として、「第二の創業」を成功させています。
 これからの時代は、大企業でも生き残れないでしょう。
「第二の創業」をしない限り、生き残りは厳しい。
 アメリカの株式市場において、
時価総額ランキングのTOP10は、
10年間で、すっかり変わってしまいました。
 もちろん、今の学生は、情報が早いので、
時代の変化に追いついているかもしれませんが、
学生の両親が、時代の変化についていけず、「現代の骨董品」になってしまい、
せっかく決めた就職なのに、両親から反対されるかもしれません。
その時は、フィルムメーカーの話を思い出してください。
 あなたの前に道はなく、あなたの後ろに道はできる。
今の時代は、そういう時代です。
 さて、スマートフォン全盛の時代、
写真用のフィルムは、売っているのか。
 「ヨドバシカメラ」の片隅で、
「富士フイルム」の緑色のパッケージで販売されているそうです。
 今や、デジタルカメラの画素数は、
最高で3000万画素を超えると聞きますが、
それでも、フィルムのほうが階調が豊かだと思います。



































































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